犬のアトピー性皮膚炎の治療薬、副作用
アトピー性皮膚炎の治療には、アレルギーの症状を抑えるステロイド剤や、痒みを抑える抗ヒスタミン剤などの内服薬が処方されます。
また、皮膚の細菌感染が確認できた場合には、その細菌に効果のある抗生剤なども併用して処方される事もあります。
ステロイド剤には、薬の強さにいくつかのランクがありますが、成分がより強くなるほど、副作用の心配が高まります。
アレルギー症状の治療においては、その強力な抗炎症作用(抗アレルギー作用)によって即効性があるため、短期間の使用によって目覚しい効果が得られる場合もありますが、長期間の使用によって、皮膚が萎縮して薄くなったり、被毛が縮れて薄くなるなど、皮膚のバリア機能が極端に弱くなるために、外部のアレルギー物質に影響を受けやすくなったり、細菌や真菌(カビ)などの感染症にかかりやすくなる心配があります。
また、薬への耐性によって、同じ濃度のステロイド剤では効き目が弱くなり、さらに成分の強いステロイド剤が必要になるなど、その薬の依存性が高い点も注意が必要な所です。
ステロイド剤を使用しなければ、皮膚が正常に保てなくなる依存症は、ステロイド依存性皮膚炎と言われています。
強いステロイド剤を長期間使用する事で、体内のステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)が大量に生産されて起こるクッシング症候群の症状が生じたり、肝臓や腎臓に負担がかかるなど、内臓機能にも影響が出る恐れがあります。